音緒(Seki Show:関将&山影匡瑠 with スアールアグン)
午前11時半、会場入り。
正午12時にはセッティング、サウンドチェック、リハーサルが始まる。
リハーサル時、既に会場は客がステージ裏までビッシリ!

昼食休憩を挟んで、14時半にリハーサルが終了。機材を盗難される恐れがあったため、
ギター、三味線、小物パーカッション類を楽屋まで運び入れる。
そして本番開始18時半までの4時間を着付けおよびメイク等に充て、
精神統一に適した時間を過ごした。(本番30分前の客席の模様。)
18時半。オープニングはジェゴグ・スアールアグン楽団の演奏から始まった。
歓迎の曲から始まり、計3曲の15分間、マーシャル(ギターアンプ)、ドラムセットが
中央に構える今までに無い異様な光景は、これから何かが始まることを予感させるのに
十分だった。


そして、バリで書き上げた新曲と生の太鼓をSEに、音緒の二人が登場。


般若、狐の面を着けた関、山影。場内は驚きの声と注目の渦に包みこまれていく。

SEとクロス・フェイドしてよさこい節で一曲目がスタート。
続いて五木の子守唄が会場内に響きわたる。
「日本舞踊、邦楽などの持つ “間”や静けさは、インドネシア人には受け入れられない」という忠告を受けていた。それだけに、静まり返った観客席から曲が終わった後の拍手が鳴り響いた瞬間、安心と共にこの日の成功を確信した。
その後は関が堪能なインドネシア語を披露してのMCと、司会者との闊達なやり取りで会場内を湧かせ、場内は更に明るい笑いと暖かい空気に包まれた。
3曲目は、音緒の最初のレパートリー曲である“こきりこ節”


続いて4曲目の“秋田荷方節”。
三味線のソロから始まり、後半は「スモークオンザ・ウォーター」、「胸いっぱいの愛を」
など、ロックの名曲のリフが挟まるアレンジを展開。在住日本人が知っていたのか、自然に沸き起こったのか、三味線独奏時に起こる拍手喝采を受けて、山影のプレイは更に冴え渡る。
5曲目、テンポの良い“寅さんのテーマ”では手拍子が起こり、6曲目の“花笠音頭”では盛り上がりが最高潮に。中間で展開された三味線ソロでは、先の秋田荷方節とは違った旋律・表情で、インドネシア・バリ島の地に三味線の音色を確実にインプットした。


続けて豪華メンバーによる、後半のコラボレーション・タイムが幕を開ける。
関はアコースティック・ギターをエレキギターに持ち替えて着物の帯をはずしたとたんロックギタリストに変身した。


2002年、バリ島爆弾テロ救済アルバムで関が共演して以来の友人であり、
バリ島ポップス界No.1の歌手 ウィディ・ウィディアナが2曲を披露。
バリ人なら誰もが知っているバリ民謡“ブガン・サンダット(サンダットの花)”、
インドネシア語の太陽と同じ発音「マタハリ」という語句が登場する沖縄の民謡
“安土屋ユンタ”を熱唱。
余談ではあるが、ウィディ自身がこの曲を気に入ったため、秋に関と共にレコーディングを行うことが決定した。
バリ島のTV、ラジオで“安土屋ユンタ”の流れる日が楽しみである。
続いて、2006年、関が初めてジェゴグとコラボレーションしたときに作曲した
“S&S”を演奏。ハードロックに三味線が奏でるバリ・ジャワのメロディーが
散りばめられ、ジェゴグが荒々しく響く。

ヌガラで3日間練習したときも、スアールアグン楽団員が何度もつたない日本語で
「モーイッカイ!」と言ってきたほどにジェゴグ奏者である彼らの血を騒がせる曲。
当然、場内のボルテージもさらに数段上がった。
最後は、2007年バリ島で最もヒットした“ありがとうマデ”を歌ったロックバンド、ビンタンのジュンがゲストに登場。
ジェゴグが奏でるラテン風の3つ折り重なるリズムのイントロの後、いきなりの歌いだしに、観客は“ありがとうマデ”がようやく始まったのだと驚き、喜ぶ。
途中でサビの大合唱も。バリ語の歌だが、サビに日本語が使われているため、在住邦人も共にノリノリで歌っていた。

そしてスタンディングオベーションによるアンコールで、再度“S&S”を演奏。
スウェントラ氏の「もっと速く!」という要望に応え、テンポアップして演奏。
本編で演奏したときよりもパワフルになったジェゴグ。
途中から山影がモニターに足を掛けて三味線を弾き、観客をさらに沸きたたせた。

エンディングはジェゴグによる短い後奏により幕を閉じることとなる。
挨拶のあとは、拍手喝采、インタビュー、写真撮影等が殺到し、
出演者は場内でしばらくの間対応に追われていた。

翌日からの数日間、複数の新聞に代わる代わるライブの様子が取り上げられた。
Nusa Bali・・・Seki Showによる、ありがとうマデのジェゴグバージョン!

Jawa Post・・・ジェゴグがロックを演奏!日本人とのコラボレーション

じゃかるた新聞

こうしてバリの伝統音楽、日本の民謡、ポップス、ロックのコラボレーションは終了した。
バリ島で、インドネシア全土で考えても、これほどまでに豪華かつ個性的な、日イのコラボレーションライブは過去になかったであろう。
早くも来年の出演が来たのは言うまでもない。それに関連して関は早々に新たなるアイディアが浮かび、作曲・アレンジに取り掛かっている。